この記事では、“承認欲求”にスポットを当ててみたいと思います。
知らぬうちに私たちは日常で“承認欲求”に振り回され続けています。
それにもかかわらず、、、
承認欲求をじっくり考えたことがある人はあまりいないのではないでしょうか。
実はものすごく私たちの人生に密接に関わっています。
承認欲求がどう人生に影響を与えているのか。
仏教やアドラー心理学を参考し、承認欲求の正体や承認欲求との向き合い方について解説します。
『嫌われる勇気』 岸見一郎・古賀史健
『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていく超・合理的な「考え方」』
草薙 劉瞬
目次
承認欲求ってどんなもの?
まず「承認」とは、どんな意味かあるのか調べてみました。
「承認」の意味
※デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より
1.そのことが正当または事実であると認めること。「相手の所有権を承認する」
2.よしとして、認め許すこと。聞き入れること。「知事の承認を得て認可される」
承認欲求とは『承認』を相手に求めることです。
つまり、相手に認めてもらいたいという感情のことを指します。
承認欲求の具体例
・他者の目を意識 ⇒ 他者からの承認の有無が重要
・他者との比較 ⇒ 自分の評価を他人と比較している
・社会的地位 ⇒ 優等生,人気者、昇進を求める
・勝ち負けに執着⇒ 勝ち負けにこだわる
これらあくまでも代表的な具体例でまだまだたくさん存在しています。
共通点は“第3者”に評価基準が存在しており、自分以外の誰かに認めてもらうことが
主役になっているということです。
赤ちゃんや子どもも、両親に対して抱く人間的な普遍的な感情です。
承認欲求がもたらすこと
承認欲求は他者によってしか満たされないということが最大の厄介ポイントです。
この欲求が知らぬうちに高まっていくと、私たちの人生は非常に生きづらく、充実感を感じないということに陥ってしまいます。
人生の軸が他人目線になってしまう
『嫌われる勇気』から一節を紹介させて頂きます。
もしもあなたが「他者の期待を満たすために生きているんではない」のだとしたら、他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」
※ 嫌われる勇気 より
アドラー心理学では、承認欲求を明確に否定しています。
他者の期待のために生きたいと望んでいる人などほとんどいません。
が、承認欲求を満たすことが目的になると、他者の期待だけを気にして
生きていくことになってしまいます。
承認欲求に突き動かされて、ほとんどの人は他者の期待を満たそうと行動します。
それを行動の重要な目的になってしまえば、他人の価値観を気にしてばかりになり、
自分の気持ちよりも、他者の期待を気にしてばかりの人生送ることになります。
賞罰的思考を強化する
適切な行動 ⇒ 褒めてもらえる、評価が高くなる
不適切な行動 ⇒ 罰せられる、怒られる
こういった価値観が強化されてしまいます。他人からどう思われるということを考えながら、
常に自分の行動を決めるような人間になりがちです。
例えば、「ゴミを拾う」という行為をするか・しないか判断する時に、他人からの評価が判断基準になってしまうなどです。
本質的な意味を意味ではなく、判断基準を損得勘定に委ねる人間になってしまいます。
“ムダな心の反応”が苦悩を生み出す
行動の目的を外部に求めてしまうため、必要のない“心の反応”がたくさん起きます。
反応が多ければ、劣等感を感じること・不安や怒りを感じることを抱える可能性も高くなります。
それが生きていく中で、悩みや苦悩となって幸福感を台無しにしてしまいます。
基本的に他人の言動や感情というものはコントロールが出来ません。
他人と競争すること、他人の言動に怒りや失望を感じることは“ムダな反応”です。
相手のことを思い浮かべて、“あの人のここがダメ”とか“あんな性格ではきっと苦労するに違いない”と判断し続けることは、自分自身にマイナスになります。
承認欲求の取り扱い
ここまでは承認欲求が人生にどんな影響を及ぼすか書かせてもらいました。
承認欲求は人間である以上、なくすことは不可能です。
出来る事は1つ。とにかく上手に向き合っていくこと。では、その方法について書いてみますので、もう少々お付き合いください。
承認欲の存在と確認
まずは、承認欲求という存在を知ること。そして、自分が承認欲求に捉われていると
認識することが大切な第一歩です。
どんな事やどんな時に自分から承認欲求が発生しているのか。
その現状認識をすることで、心はかなり落ち着いてきます。
徐々に対処の方法がわかってきます。
自分の言葉と、この瞬間の思い、今できる事 それ以外のことは「妄想」です。
「妄想」に気を取られることなく、事実や今に集中をしましょう。
人生の目的を定める
承認欲求に振り回されないために大切なことは、“自分自身の人生の「目的」をはっきりさせること”です。
自分は何を成し遂げたいのか。目指すべき価値観はなんなのか。
他者と比較していても上には上が下には下がいます。
外部に価値基準を置いている基準が定まることがありません。
基準は過去の自分や理想の自分であるべきです。
人生では、今の自分より前に進もうとすることこそ、価値があります。
他者からどう思われようと何を言われようと関係ありません。
他者と比較して劣等感や優越感を感じることに何も意味はありません。
理想の自分と比較してどこが足りないのか。去年の自分からどこが成長したのか。
人生の基準を自分自身が持つことが非常に重要です。
エネルギーへ転換する
自分が抱いた承認欲求を満たすために正しい努力を行うことです。
①承認欲求をモチベーションにし、仕事・生活を「改善」していく
②どんな時も「自分のモノゴトに集中」する。
③「自分で納得できる」ことを指針(基準)とする。
日々の活動のエネルギーへ転換出来れば全く問題はありません。
これらを人生の“モチベーション”として活用するだけで“目的”そのものにしてはいけません。
ま と め
1、承認欲求を理解・認識することから始めよう
2、承認欲求は目的ではなく動機として利用する
3、人生の目的を定めよう。
承認欲求についていかがでしたでしょうか。
今までぼやっとしていた姿が、はっきりとしてきたのではないでしょうか。
承認欲求が消えることがない以上、上手く付き合っていく以外に対処法はありません。
まずは承認欲求を認識することからです。
私も承認欲求にずっと振り回されてきたし、今も振り回されていると痛感しています。
親や友達がどう思うのか、世間から見たときにどうなんだろうか?
会社の上司を論破して、自分が正しいことを認めさせてやろう。など
他者との関係性の結果ばかりに捉われていました。
でも、そういうやり方は誰にとっても得はないということ。
プラスに転換しながら人生を生きてく上で、活用していく。
簡単に出来ることではありませんが、
まず「理想の人生」を持つことが非常に重要です。
そこに集中し、向かうことができれば、外部からの雑音を気にしている暇がないと今は理解し、気持が楽になりました。
過去は関係ありません。今日から明日から思考を変えるためのスタートを切る!!
承認欲求による苦悩に上手く対処し、幸福感が少しでも上げられるように人生を前に進めていきたいと思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。